健康食か、精子の量か?

2008.08.05 避妊 / ピル
大豆やイソフラボンを含む食べものを食べれば食べるほど、精子の数が減ってしまう……という興味深い研究結果が、ハーバード大学公衆衛生大学院によって発表されました。

大豆は女性ホルモン(エストロゲン)の構造にとてもよく似たイソフラボンという物質を含有しています。このイソフラボンが体内でエストロゲンと似た働きをすることは広く知られており、男性能力にどう影響するのか、関心を持たれてきました。

研究チームは不妊に悩むカップルから99人の男性を選抜。三ヶ月にわたって大豆の摂取量を調べました。結果、年齢や体型、刺激物や煙草の摂取などの要素を差し引いたとしても、大豆摂取量と精子の濃度が密接に関係していることが明かとなったのです。
具体的な例を挙げてみましょう。大豆を多く食べる男性の精子は1ミリリットルあたり平均4100万個で、これは1ミリリットルあたり8000万以上という平均値を大きく下回っています。

イソフラボンが男性の精子生産を妨げることは、これまで数多くの動物実験で示されてきた事実ですが、人間で確認されたのは今回が初めてとのことです。豆腐や納豆は身体に良い……と言いますが、少なくとも精子にはマイナスに働くのですね。

ストレスが皮膚の抵抗力を弱める

2008.07.31 美容 / ダイエット・スキンケア
ストレスによって皮膚感染症にかかりやすくなるという仕組みが解明され、アメリカの医学誌に発表されました。「免疫機能の崩壊」という従来の説ではなく、皮膚の抗菌機能が低下することに関係しているようです。

アメリカ・カリフォルニア大学皮膚科教授のピーター・エリアス博士らのチームは、心理的ストレスを与えたマウスとそうでないマウスを同じ条件下で比較しました。

その結果、ストレスの多いマウスは表皮で発現する抗菌ペプチドが少なく、A群溶連菌に感染しやすいというデータが得られました。抗菌ペプチドとは、近頃注目を浴びるようになった物質で、免疫システムの最前線を担い、抗生物質と同じく細菌を死滅させる働きがあります。

研究ではストレスによって、グルココルチコイドという物質の産生が増大することも判明しています。これによって表皮の脂肪合成が阻害され、抗菌ペプチドを含む小胞分泌が減少。皮膚障害を起こしやすくなるといいます。

これまで、感染防御は免疫システムのT細胞がその多くを担っていると見られていました。しかし近年の研究でこの説が覆され、抗菌ペプチドが相当量の防御力(ウイルスや細菌などによる攻撃の99.5パーセントを防御)を持つことが知られています。

笑いでED治療

2008.07.25 その他
大阪府の敬任会病院アレルギー科の木俣肇医師らは、同科に通院するアトピー性皮膚炎の男性36名に協力を依頼。一方のグループはセックスパートナーとともに天気予報のみ鑑賞。もう一方のグループにはコメディー映画を3日間にわたり鑑賞してもらい、勃起不全がどの程度改善されたかを調査しました。

その結果、コメディー映画を観たグループはED指数が低下。患者のセックス満足度も改善していることが分かりました。

「アトピー性皮膚炎患者の多くが心因性のEDで悩んでいます。ストレスのたまりがちな患者さんは、笑うことが一番」と木俣医師は語ります。実際、血液検査では男性ホルモン(テストステロン)の値が上昇し、女性ホルモン値が低下していることも分かっています。
もちろん、笑うだけで全てが解決するわけではありません。効果の持続時間は長い人でも四日程度だったそうですが、笑うことでED症状が改善されるのは決してアトピーの患者だけでなく、全ての男性に当てはまるとのことです。

「笑い」が、なぜEDの諸症状を改善するかについては、これから様々な実験で明かにされるでしょうが、今回の実験に参加した男性のうち、一週間に一度も笑わない人が少なからず含まれていたことに、関係者はショックを受けているとのこと。生活環境も重要です。

運動が痴呆症の進行を遅らせる

2008.07.19 心のおくすり / 抗うつ剤
充分な運動でアルツハイマー病における初期の脳萎縮速度を遅くできる可能性があることを、アメリカの研究者が明らかにしました。

カンザス大学医学部のジェフリー・バーンズ博士は、アルツハイマー病の初期にある患者57名を対象に、MRI(磁気共鳴断層撮影)を駆使して運動量と脳萎縮の関係を調べました。その結果、運動量の多かった患者が少ない患者より、脳萎縮の速度が遅れていることが判明したのです。

アルツハイマー病を患っていなくとも、脳は歳をとるごとに萎縮してゆきます。しかし、アルツハイマー病である場合、萎縮の速度が通常の2倍に早まります。今回の調査結果が本当であれば、毎日の運動で症状を遅らせることができるかもしれません。しかしながらバーンズ博士は「脳の萎縮速度が運動により遅くなったものの、精神的な面ではさほどの有意差がなかった」とも述べています。

今後の研究成果に注目しましょう。

セックス不足がEDを誘発する

2008.07.14 その他
セックスの頻度が高いと勃起不全(ED)を発症する確率も減ることが、フィンランドの研究グループによって報告され、アメリカの医学誌に掲載されました。

フィンランド・タンペレ大学病院泌尿器科のコスキマキ博士らは55〜75歳のフィンランド人男性989人のデータを収集。その結果、セックスの回数が週1回未満の男性は、それ以上性行為のある男性に比べED発症のリスクが二倍あることが判明したのです。

また、セックスが週1回未満の男性は千人につき79人がEDを発症しましたが、週1回性行為があるとした男性は約半分の確率である32人。セックスが週3回以上という男性はこれが16人まで減少したそうです。

早朝勃起(朝起ち)の頻度と中等度EDとの間には関連がみられませんでしたが、完全EDとの間には関連が認められ、早朝勃起が週1度未満の男性は、週2〜3回の男性に比べEDを発症するリスクが2.5倍あることも判明しています。コスキマキ博士「高齢者が勃起機能を保つには定期的なセックスが重要な役割を果たすものの、早朝勃起はそこまでの影響を持っていない」結論づけています。

別の専門家は「身体の他の部分と同様、使わないと機能が失われてしまう」と述べています。なお、今回の研究はセックスのみを対象としており、マスターベーションについては言及されていませんが、基本的な考え方は同様で、ペニスに血液を送り込む行為であれば、いずれの行為もED治療に好ましい影響があるようです。

人工甘味料はダイエットの大敵か?

2008.07.10 美容 / ダイエット・スキンケア
摂取カロリーを制限するために用いる人工甘味料に、食欲制限能力を変化させる効果があり、体重増加という予想外の作用がある可能性が示されています。

研究を行ったアメリカ・パデュー大学の摂食行動研究所、スーザン・スイザーズ教授によると、こうした人工甘味料を用いた食品を摂取した場合、身体が「満腹」を察知する正常なプロセスが妨げられる可能性あるそうです。

私たちは、食事の質と量によってどれくらいエネルギーを摂取できるかを、潜在意識の中で気付かず計算しています。甘い食べ物ならそれが多くのカロリーを含んでいるというサインで、身体は大量のカロリー摂取に備えるわけです。しかし、甘いものを食べた後、予測されたカロリー摂取が行われなかったらどうでしょう? 消化系は混乱し、次に甘いものを食べても、代謝率が上がらなくなってしまうのです。

研究グループはこの理論を裏付けるべく、無糖のヨーグルトをラットに与えた後、グループ別に無糖と人工甘味料を加えたヨーグルトを切り替えて与え、体重増加を記録した。結果、人工甘味料のヨーグルトを摂取したラットは摂食量が増え、体重増加が激しかったほか、体温の上昇が小さくなっていることが分かっています(カロリーの燃焼が少ないことを示している)。

現在、人間についてはまだ一致した研究結果が得られていません。なぜなら人工甘味料を摂取したことのない人がほとんどいないためで、人間を用いて同様の実験をすることは困難であることを研究グループも認めています。

なお、人工甘味料を用いる食品業界団体は、今回の知見を「何ら科学的根拠がない」「人間にはあてはまらない」と否定しています。「ダイエットするなら、摂取カロリー摂取を控え運動するしかない」と述べています。

果たして真実はどちらにあるのでしょうか?

ペースメーカーで脳の機能もアップ?

2008.07.05 その他
今回は脳のお話しをしましょう。

脳に刺激を与えることは、記憶を呼び起こす鍵を握る行為とも言われています。肥満患者の治療での思いもよらなかった副作用の結果、アルツハイマー型認知症の治療に、思わぬ光が差し込んだとのニュースです。

研究者は肥満治療を希望した被験者の食欲をコントロールする「視床下部」と呼ばれる部分に電極を埋め、電流を送りました。

ところがです。そもそも体重200キロを超える患者の食欲を抑える予定が、脳を刺激したことによって、被験者の30年前の記憶を鮮明に呼び起こしてしまいました。50歳の被験者はそのとき、友人や恋人と公園にいた20歳の頃の詳細を思い起こしたそうで、電流が激しくなるにつれ記憶はさらに明確になったと話しました。
報告によると、電極を埋め込んだ直後、大脳辺縁系にシグナルを送り込む脳弓という繊維束の活動が非常に活発になり、感情や記憶を刺激する結果となったわけです。

被験者は2ヵ月後に二度目の電極治療を受けました。このときも脳に刺激が送られるに従い、さらに学習能力などの改善も見られたとのことです。
それから一年後のテストでは、電流を流しているときと流していないときで、学習能力に差が出ることがわかりました。もちろん、電流を流しているときの方が、良好な結果となったのです。

この驚くべき結果によって、脳内ペースメーカーの可能性が取りざたされ、研究が続いています。

研究を指揮するトロント・ウェスタン病院のアンドレ・ロザノ博士は「思いがけない結果が生まれたのは一度のみ。記憶についての回路構成はまだあまり知られていない。これが何かの手がかりになればいいのだが」とコメントしています。

研究は早期の段階ですが、六名のアルツハイマー患者に実験を行っており、三人の脳に5〜600万円のペースメーカーを埋め込んでいるそうです。

ストレスと皮膚感染症はつながっている

2008.07.01 美容 / ダイエット・スキンケア
ストレスの増加によって皮膚感染症にかかりやすくなることが、アメリカの医学誌に発表された研究により明らかになりました。

カリフォルニア大学サンフランシスコ校、皮膚科教授のピーター・エリアス博士らによると、心理的ストレスを与えたマウスはストレスの少ないマウスに比べ、溶連菌へ感染しやすいことがわかりました。

ストレスにさらされたマウスは、表皮に現れる抗菌ペプチドが通常よりも少なかったとのことです。抗菌ペプチドとは、近年注目を浴びている物質で免疫システムの「最前線」にあり、抗生物質のように細菌を攻撃して死滅させる作用があります。

今回の研究ではストレスにより表皮のグルココルチコイドが増大することも判明しています。グルココルチコイドが増大すると表皮の脂肪合成が阻害され、抗菌ペプチドの含まれる小胞分泌が減少。皮膚障害を起こしやすくなります。

エリアス博士はストレスで二つの重要な抗菌ペプチドが下方制御され、マウスの皮膚感染症がさらに重くなると解説。この状況はグルココルチコイドの産生を阻害することで正常に戻ったそうです。

今回の発見は、グルココルチコイドの産生を抑える全く新しい皮膚局所薬の誕生に繋がるかもしれません。

ダイエット薬は本当に効いてるのか?

2008.06.26 美容 / ダイエット・スキンケア
アメリカでは何百万人もの人が、体重を減らすためのダイエット薬を使用しています。その長期的なリスクと利益はいまも不明確である──との見解が、カナダの研究者によって伝えられています。

アルバータ大学のパドウェル博士、マジュダー博士は、これまで市場で販売されたダイエット薬について、そのリスクと利益を再検討しました。その結果、ダイエット薬として最も有名なシブトラミンについて、幾つかの心血管系危険因子を改善させる働きがみられたものの、一部の患者で血圧が上昇することも判明しました。

一般に知られているダイエット薬には、穏やかな効果がみられるものの、それにより過体重や肥満を原因とする心臓発作、脳卒中・糖尿病のリスクが軽減するかを判断するには、さらに長期的な研究が必要と両博士は述べています。

ダイエット薬を処方する最終目標は美容的なものではなく、心血管疾患のリスクを低下させ、健康状態を改善するためであるとパドウェル博士は述べています。医師は処方にあたり、それが患者にとって有益か否かを十分検討する必要があるでしょう。

アメリカ・エール大学医学部予防研究センターのカッツ博士は、ダイエット薬として有名なシブトラミンおよびオーリスタットには重大な副作用の可能性もあり、アメリカで発売されている新薬「Acomplia」についても、服用を続けるうち、効果が徐々に薄れるという可能性が、複数の研究者から指摘されているそうです。

先進国に特有の肥満は薬で解決するものではなく、毒性や副作用による大きな犠牲なくして、薬で人間の代謝を根本的に変えることはできないと、博士は述べています。
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