2009.11.06
心のおくすり / 抗うつ剤
慢性的睡眠不足の状態が、大変深刻な健康問題であるという研究結果がこのほど発表されました。
昨年、アメリカ各州の保健当局が成人40万人を対象に「過去30日間、十分な睡眠や休息が取れなかったと感じる日数」について電話調査を行いました。
アメリカ疾病対策センター(CDC)が調査結果を分析したところ、アメリカ人の3人に1人が疲れをとるのに最低限必要とされている「7時間の睡眠」を確保できていないことが判明。「十分に睡眠が取れない日はない」と回答したのはわずか30パーセントで、十分に眠れなかった日が30日以上続いている──と回答した人も10%いました。
今回の調査で、慢性的睡眠障害にある人が約7000万人にのぼる可能性があることも明らかになっています。さらに睡眠不足には居住地・年齢・人種・性別・社会的地位・学歴などにより特徴があることも分かりました。
最も睡眠が不足しているのはアメリカ南東部に住む人種的・民族的マイノリティの人たち。学歴については、高卒資格を持っていない人のうち、38パーセントが毎晩十分な睡眠をとれている──と回答した反面、大卒では28パーセントまで落ち込み。さらに男性より女性、高齢層より若年層、白人よりラテン系やアフリカ系の人がよく眠れていない傾向も明らかになりました。
CDCはこの調査結果について、慢性的睡眠不足は喫煙や過度の飲酒とも関連があり、うつ・肥満・高コレステロールなどの深刻な健康被害を招く──と警告しています。
2009.10.27
その他
1日わずか数杯のコーヒーが、肝疾患の進行を食い止める可能性を持っている?──アメリカ国立がん研究所が今月21日、このような研究結果を発表しました。 研究チームは抗ウイルス薬が効かないC型肝炎患者766人を対象に、およそ4年間の調査を行いました。患者はいずれも長期治療を行っており、肝疾患がやや進行した患者も含まれています。 調査では、彼らが1日何杯のコーヒーを飲んだかを聞き取るとともに、3か月ごとの診断と2回の生検で病気の進行を調べたところ、コーヒーを1日3杯以上飲んだ患者は、全く飲まなかった患者に比べ進行リスクが53%も低減されたことがわかりました。 従来より「コーヒーに含まれるカフェインが、マウスの肝ガンを抑制した」とする研究結果も複数発表されていましたが、研究チームは「コーヒーは肝疾患に関連のある2型糖尿病のリスクを軽減する。あるいは、線維症や肝硬変の原因となる炎症を軽減するのではないか」と考えているようです。 なお、コーヒーと同じくカフェインが含まれる紅茶や緑茶を飲んだという患者は調査対象の中に少数しかいませんでしたが、そうした患者では肝疾患の進行への目立った影響は見られなかったということです。
2009.10.19
心のおくすり / 抗うつ剤
徹夜で勉強できる。記憶力が高まる。覚えたことを試験本番で思い出しやすくなる──といった、いわゆる「頭の良くなる薬」がアメリカの大学生たちの間で人気を集めているとのことです。 この種の薬を服用する学生が急増していることから、アメリカの大学では将来、試験前に「ドーピング検査」を実施せざるを得なくなるかもしれない――医学倫理問題をテーマにした専門誌「Journal of Medical Ethics」に、こうした「アカデミック・ドーピング」の可能性を指摘する研究論文が掲載されました。 この論文を執筆したのはシドニー大学の心理学者ビンス・カキック氏。同氏によると、全学生の実に4分の1が中枢神経を刺激する「デキセドリン」や「リタリン」などを学業成績向上を目的に使用している大学もあるそうです。 これらの薬は従来、認知症や注意欠陥多動性障害(ADHD)、ナルコレプシーなどの患者に使われてきたものです。しかし、特に入学基準の高い学校でこうした薬を服用する学生数が多いことが判明しています。 現在、学生たちが用いている薬は適度に脳の認知力を高める作用があるとされていますが、もっと高い効果を得られる薬が開発されつつあり、将来はこちらの人気が高まる可能性もあるとのこと。 脳の認知力を高める薬は、身体的にも精神的にも副作用があり、依存症を起こす可能性があるだけでなく、薬の普及を抑制することはほとんど不可能だとカキック氏は指摘しています。
2009.10.12
その他
傷部を覆い、即座に出血を止めてしまうという透明ゲル状の物質が、アメリカ・マサチューセッツ工科大学(MIT)および香港大学の研究グループにより開発されています。 これまでも、圧迫法、焼灼(しゃく)法をはじめ、血液凝固促進剤や強力接着剤成分の使用など、さまざまな止血法が考案されてきましたが、出血は依然として外科手術での大きな難題でした。実際、手術時間の半分は出血の制御に費やされているといっても過言ではありません。 MIT のエリス氏らは、脳の部分的な断絶を再結合する方法を研究していた際に、出血を止めるゲル状の物質を発見。このゲルをハムスターの脳、肝臓、脊髄、筋および大腿動脈の傷に処置したところ、15秒以内に出血が止まることを確認。止血の機序は不明とのことですが、ゲルが血液を凝固させているわけではなく、物理的な壁を形成すると考えられています。 このゲルを外科手術に利用できれば、手術時間も輸血量も大幅に削減できるでしょう。また、切断された四肢の出血を減らし、再接合までの保存に利用できる可能性もあります。 現段階ではハムスターを用いた研究にとどまっていますが、次のステップではブタのような大きな動物で試験を行うことで、製品化までに3〜5年を要する見込みです。
2009.10.05
心のおくすり / 抗うつ剤
ある化学物質をスプレー式の点鼻薬で吸い込むことで、睡眠をとったのと同じ効果が得られる──。まさに夢のような話が現実のものになろうとしています。 かつ、これまで知られているようなカフェイン・アンフェタミンといった物質と異なり、身体に対して中毒作用や副作用はほとんどないと言われています。 アメリカ国防総省の研究機関「DARPA」の支援によって進められている研究で明らかになってきたもので、「オレキシンA」という物質がカギを握っています。 オレキシン (orexin) は1998年に発見された神経ペプチドのひとつ。オレキシンAとオレキシンBがあり、視床下部の外側野にある神経細胞がオレキシンを産生しています。 食欲などのほか、睡眠・覚醒を制御することも知られていて、オレキシンをつくる神経細胞が消滅するとナルコレプシーという睡眠障害になると言われています。 覚醒系の化学物質と言えばモノアミン、睡眠系といえばGABAですが、オレキシンはこれらの物質の上流に位置し、神経物質のバランスを覚醒側に傾ける働きをします。 実験によれば、30〜36時間睡眠していないサルにオレキシンを点鼻投与、認知テストを行ったところ、プラセボ群では重度の成績低下を示したのに対し、オレキシン群は普通のサルと同じくらいの成績を おさめたとのことです。 実用化はまだまだ先のようですが、睡眠障害で身体のだるさ、疲れ、頭のもやもやに苦しんでいる人々には待ち遠しい薬となりそうです。
2009.09.30
その他
いま、臨床試験の第III相試験(標準薬との比較)段階にある新薬MK-0974について、片頭痛への有望性が示されたことが、シカゴで開催されたアメリカ頭痛学会の年次集会で発表されました。 アメリカでは推定2,800万人が片頭痛に悩んでいます。一般的な鎮痛薬やバイオフィードバック療法のほか、トリプタンという脳内の炎症を抑える薬剤が使用されていますが、どの治療も効かないという患者もいます。また、トリプタン系薬剤には血管を収縮させる作用があるため、心疾患のある患者は使用することができません。 このMK-0974はトリプタン系薬剤と異なる新しいクラスの薬剤で、痛みの信号を伝える脳の化学物質を遮断する作用をもちます。 試験は製造元であるメルク社の資金援助により、アメリカ・カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のラポポート博士らが実施したもの。300mgを投与した患者の68%が「2時間後に痛みが軽減された」と述べ、これはトリプタン10mg群での70%に匹敵する結果で。プラセボ群は46%でした。また、その後24時間経ってMK-0974群の40%が痛みが全くなくなったと述べたのに対し、トリプタン群では 18%、プラセボ群では11%でした。 そのうえトリプタン系薬剤にみられる血管収縮作用はなく、胸部圧迫感、胸部痛、のどの締め付け感、全身のぴりぴり感といった、この薬剤に典型的な副作用もみられませんでした。
2009.09.22
その他
中年時代に独り身を通した人は、結婚や同棲をしていた人に比べ認知症になるリスクが約2倍もある──という恐ろしい研究結果が、スウェーデンのカロリンスカ研究所によって明らかにされました。
同研究所は、1970年代から80年代にフィンランド東部にあるクオピオとヨエンスーという町の住民から、平均年齢50.4歳の男女2000人を無作為に選択。1998年にうち1409人(65〜79歳)を対象として、認知力のテストを実施しました。
結果、アルツハイマーなどの認知症と診断されたのは57人。中程度の認識機能障害と診断されたのは82人でしたが、中年時代に一人暮らしをしていた人では、パートナーと一緒に暮らしていた人に比べ認知症リスクが2倍近く高いことがわかったのです。
また、中年時代に夫と死別、または離婚して、その後一人暮らしをしていた人では、認知症リスクが約3倍にも跳ね上りました。
男女差も顕著で、中年時代に一人暮らしだった男性が認知症を患う確率は、パートナーがいた人に比べ2.5倍、女性では1.87倍という調査結果が出ています。
参考までにこの調査では、認知症の発症に影響すると考えられている諸要素(教育や喫煙習慣など)はすべて加味されています。
以上の結果から同研究所は、「パートナーと暮らすと認知力や社会性が刺激され、認知症の発症の予防になっているのではないか」との見方を示しています。
世界の認知症患者数は、2005年には推定2500万人でしたが、2040年までには8110万人に達すると考えられています。あなたには心の通うパートナーが存在しますか? 存在しない人は
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2009.09.16
避妊 / ピル
望まない妊娠を防ぐための手段として、これまで長きにわたり利用されてきたのがコンドームやペッサリー(女性向けコンドーム)。このほか、女性向けに「
経口避妊薬(ピル) 」が販売されていますが、巷で「男性向け経口避妊薬」の登場が噂されています。
アメリカの日刊紙が報じた記事によると、男性向け経口避妊薬は女性向けの経口避妊薬と同様、体内のホルモンに作用することで避妊作用を実現するもので、効果は男性の輸精管を人工的に切断する手術である「パイプカット」とほぼ変わらないとのことです。
現在、避妊の担い手となっているのは主に女性であり、その数は世界的に見ておよそ73%にものぼるそうですが、男性からの避妊に関するアプローチはコンドーム以外、まったくと言って良いほどありませんでした。この薬が登場すれば、女性だけでなく男性からも新たなアプローチを行うことができるようになります。
気になる発売時期ですが、製薬会社などが有用性に疑問を抱いていることなどもあって、楽観的に見積もってもあと3年はかかると見込まれています。
2009.09.10
美容 / ダイエット・スキンケア
「本来寝ている夜の時間帯に食べると、昼間に食べるより太る」という「伝説」をアメリカ・ノースウエスタン大学の研究チームがマウスの実験で証明しました。
「食事時間帯がカロリーの摂取と消費とのバランスに大きな役割をはたしていることを示す成果」──とのことです
研究チームは生まれてら毎日、12時間明るく、12時間暗くした環境で飼い続けたマウスを、明るいときだけエサが食べられるグループと、暗いときだけエサが食べられるグループに分け、高脂肪のエサを与え6週間観察しました。
すると、摂取カロリー量や運動量にはグループによる差は認められなかったものの、体重は暗いときだけ食べたグループは平均1.48倍も増えたのに対し、明るいときだけ食べたグループは同1.20倍で、統計的な差が見られました。
最近の研究で「体内時計が体内のエネルギー消費も制御していること」が明らかになっていましたが、食事の時間帯と体重増加との関係を直接的に示した研究成果はこれが初めてです。
朝食をぬいて夜多く食べる人は太りやすい──などの報告はこれまでにも散見されましたが、食事の時間帯の違いが本当に体重の増加に関係しているのかは、よくわかっていませんでした。
カロリー摂りすぎな食生活の強い味方、
ゼニカルがニューパッケージに!
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