早漏が薬で治る日は近い

2009.11.20 その他
男性全体の3割が抱えている──といわれる「性機能障害」。今回、塩野義製薬が開発した早漏治療薬に予想外の効果があることがわかり、注目を集めています。

アメリカ・サンディエゴで開かれたセクシュアルメディスンソサエティーの年次会合で発表された報告によると、性交前に同薬を使用した男性は、偽薬(プラセボ)を使用した男性と比較して最大5倍、射精までの時間が延びることが判明したとされています。

研究はアメリカ・カナダ・ポーランドの男性256人を対象に3カ月間実施され、特に深刻な副作用に関する報告はありませんでした。また、多くの被験者とそのパートナーにおいて、性的満足感の改善が報告されとのことです。

アメリカ・フロリダのマリタル・アンド・セクシュアルヘルスセンター教授、スタンレー・アルトホフ氏は「早漏は男性やそのパートナーの性生活に大きなマイナスの影響をもたらし得る。今回の結果がひとつの光明となりえる」と述べています。

開発元である塩野義製薬傘下のアメリカ・サイエル・ファーマの発表によれば、この薬は初の本格的な早漏治療薬になる可能性が高いとのことです。

コエンザイムで難聴を克服?

2009.11.15 その他
歳を取るにつれ、耳が遠くなるという「老人性難聴」は、耳の奥にある「内耳」の感覚器細胞が、遺伝子の働きで死滅して起きることを、東京大学などがマウスの実験で明らかにし、アメリカ・科学アカデミー紀要に発表しました。

さらに研究グループは、抗酸化物質で遺伝子の働きを抑えることによって、マウスの難聴発症を遅らせることができることを突き止め、同じ哺乳(ほにゅう)類であり、耳の仕組みが共通している人の難聴予防につながると期待されています。

染谷慎一・東大特任助教らは、損傷を受けた細胞を自殺に導くBakという遺伝子に着目。マウスのBakを働かないようにすると、人間の50歳に相当する生後15か月でも聴力がほとんど低下しないことを確認しました。

Bakの働きを抑えられるか調べるため、17種類の抗酸化物質を餌に混ぜてマウスに与えたところ、栄養補助食品(サプリメント)として市販されているコエンザイムQ10など3種類が難聴を発症させないことが分かりました。

人間の成人にとっては1日20ミリグラムにあたる量のコエンザイムQ10を、生後4か月からマウスに与え続けると、生後15か月の時点で同じ月齢のマウスが45デシベル以上の音しか聞き取れないのに対し、12デシベルの小さい音を聞き取れることも確認したということです。

ダイエットの敵はコーヒー飲料

2009.11.11 美容 / ダイエット・スキンケア
午後の元気とばかり、コーヒー飲料を飲む人は多いと思います。しかしこの一杯のコーヒー飲料が、あなたの体重にいかに悪い影響を及ぼしているかご存じですか?

アメリカ・ニューヨークのレストランチェーン店115カ所で調査された3000件のオーダーを分析した結果、抽出されたコーヒーまたは茶のカロリーはミルクや砂糖を合わせても平均約63kcalと低いものの、砂糖・ミルクなど、さまざまなものを混ぜたコーヒー飲料は平均239kcalにもなり、一般的な炭酸飲料より89kcalも高いことがわかったのです。

ビッグサイズのアイスコーヒー飲料には、一杯あたり750kcalを超えるものもあり、あるコーヒーチェーン店ではインタビューした消費者の8%が、860kcalにもなる最大サイズの飲料を注文していました。

「近頃、このようなコーヒー飲料の人気が高まっています。しかし残念ながらその多くは高カロリーで、午後の1杯が体重増加につながっています」と、ニューヨーク市衛生局長のトーマス・ファーレイ博士は述べています。

アメリカでは成人の17%が毎日このようなコーヒー飲料を飲んでいます。コーヒーや茶に砂糖を入れないようにすれば、1杯10kcal未満。低脂肪乳やスキムミルクを使用するのもよいでしょう。やむなく砂糖入り飲料を購入する際は、あえて小さなサイズを選ぶのが賢明です。

低所得者ほど眠れない

2009.11.06 心のおくすり / 抗うつ剤
慢性的睡眠不足の状態が、大変深刻な健康問題であるという研究結果がこのほど発表されました。

昨年、アメリカ各州の保健当局が成人40万人を対象に「過去30日間、十分な睡眠や休息が取れなかったと感じる日数」について電話調査を行いました。

アメリカ疾病対策センター(CDC)が調査結果を分析したところ、アメリカ人の3人に1人が疲れをとるのに最低限必要とされている「7時間の睡眠」を確保できていないことが判明。「十分に睡眠が取れない日はない」と回答したのはわずか30パーセントで、十分に眠れなかった日が30日以上続いている──と回答した人も10%いました。

今回の調査で、慢性的睡眠障害にある人が約7000万人にのぼる可能性があることも明らかになっています。さらに睡眠不足には居住地・年齢・人種・性別・社会的地位・学歴などにより特徴があることも分かりました。

最も睡眠が不足しているのはアメリカ南東部に住む人種的・民族的マイノリティの人たち。学歴については、高卒資格を持っていない人のうち、38パーセントが毎晩十分な睡眠をとれている──と回答した反面、大卒では28パーセントまで落ち込み。さらに男性より女性、高齢層より若年層、白人よりラテン系やアフリカ系の人がよく眠れていない傾向も明らかになりました。

CDCはこの調査結果について、慢性的睡眠不足は喫煙や過度の飲酒とも関連があり、うつ・肥満・高コレステロールなどの深刻な健康被害を招く──と警告しています。

一日三杯のコーヒーで肝臓を守る

2009.10.27 その他
1日わずか数杯のコーヒーが、肝疾患の進行を食い止める可能性を持っている?──アメリカ国立がん研究所が今月21日、このような研究結果を発表しました。

研究チームは抗ウイルス薬が効かないC型肝炎患者766人を対象に、およそ4年間の調査を行いました。患者はいずれも長期治療を行っており、肝疾患がやや進行した患者も含まれています。

調査では、彼らが1日何杯のコーヒーを飲んだかを聞き取るとともに、3か月ごとの診断と2回の生検で病気の進行を調べたところ、コーヒーを1日3杯以上飲んだ患者は、全く飲まなかった患者に比べ進行リスクが53%も低減されたことがわかりました。

従来より「コーヒーに含まれるカフェインが、マウスの肝ガンを抑制した」とする研究結果も複数発表されていましたが、研究チームは「コーヒーは肝疾患に関連のある2型糖尿病のリスクを軽減する。あるいは、線維症や肝硬変の原因となる炎症を軽減するのではないか」と考えているようです。

なお、コーヒーと同じくカフェインが含まれる紅茶や緑茶を飲んだという患者は調査対象の中に少数しかいませんでしたが、そうした患者では肝疾患の進行への目立った影響は見られなかったということです。

大学生はドーピングがお好き?

2009.10.19 心のおくすり / 抗うつ剤
徹夜で勉強できる。記憶力が高まる。覚えたことを試験本番で思い出しやすくなる──といった、いわゆる「頭の良くなる薬」がアメリカの大学生たちの間で人気を集めているとのことです。

この種の薬を服用する学生が急増していることから、アメリカの大学では将来、試験前に「ドーピング検査」を実施せざるを得なくなるかもしれない――医学倫理問題をテーマにした専門誌「Journal of Medical Ethics」に、こうした「アカデミック・ドーピング」の可能性を指摘する研究論文が掲載されました。

この論文を執筆したのはシドニー大学の心理学者ビンス・カキック氏。同氏によると、全学生の実に4分の1が中枢神経を刺激する「デキセドリン」や「リタリン」などを学業成績向上を目的に使用している大学もあるそうです。

これらの薬は従来、認知症や注意欠陥多動性障害(ADHD)、ナルコレプシーなどの患者に使われてきたものです。しかし、特に入学基準の高い学校でこうした薬を服用する学生数が多いことが判明しています。

現在、学生たちが用いている薬は適度に脳の認知力を高める作用があるとされていますが、もっと高い効果を得られる薬が開発されつつあり、将来はこちらの人気が高まる可能性もあるとのこと。

脳の認知力を高める薬は、身体的にも精神的にも副作用があり、依存症を起こす可能性があるだけでなく、薬の普及を抑制することはほとんど不可能だとカキック氏は指摘しています。

出血を即座に止める新物質!

2009.10.12 その他
傷部を覆い、即座に出血を止めてしまうという透明ゲル状の物質が、アメリカ・マサチューセッツ工科大学(MIT)および香港大学の研究グループにより開発されています。

これまでも、圧迫法、焼灼(しゃく)法をはじめ、血液凝固促進剤や強力接着剤成分の使用など、さまざまな止血法が考案されてきましたが、出血は依然として外科手術での大きな難題でした。実際、手術時間の半分は出血の制御に費やされているといっても過言ではありません。

MIT のエリス氏らは、脳の部分的な断絶を再結合する方法を研究していた際に、出血を止めるゲル状の物質を発見。このゲルをハムスターの脳、肝臓、脊髄、筋および大腿動脈の傷に処置したところ、15秒以内に出血が止まることを確認。止血の機序は不明とのことですが、ゲルが血液を凝固させているわけではなく、物理的な壁を形成すると考えられています。
このゲルを外科手術に利用できれば、手術時間も輸血量も大幅に削減できるでしょう。また、切断された四肢の出血を減らし、再接合までの保存に利用できる可能性もあります。

現段階ではハムスターを用いた研究にとどまっていますが、次のステップではブタのような大きな動物で試験を行うことで、製品化までに3〜5年を要する見込みです。

吸い込むだけで睡眠?

2009.10.05 心のおくすり / 抗うつ剤
ある化学物質をスプレー式の点鼻薬で吸い込むことで、睡眠をとったのと同じ効果が得られる──。まさに夢のような話が現実のものになろうとしています。
かつ、これまで知られているようなカフェイン・アンフェタミンといった物質と異なり、身体に対して中毒作用や副作用はほとんどないと言われています。

アメリカ国防総省の研究機関「DARPA」の支援によって進められている研究で明らかになってきたもので、「オレキシンA」という物質がカギを握っています。

オレキシン (orexin) は1998年に発見された神経ペプチドのひとつ。オレキシンAとオレキシンBがあり、視床下部の外側野にある神経細胞がオレキシンを産生しています。
食欲などのほか、睡眠・覚醒を制御することも知られていて、オレキシンをつくる神経細胞が消滅するとナルコレプシーという睡眠障害になると言われています。

覚醒系の化学物質と言えばモノアミン、睡眠系といえばGABAですが、オレキシンはこれらの物質の上流に位置し、神経物質のバランスを覚醒側に傾ける働きをします。
実験によれば、30〜36時間睡眠していないサルにオレキシンを点鼻投与、認知テストを行ったところ、プラセボ群では重度の成績低下を示したのに対し、オレキシン群は普通のサルと同じくらいの成績を
おさめたとのことです。

実用化はまだまだ先のようですが、睡眠障害で身体のだるさ、疲れ、頭のもやもやに苦しんでいる人々には待ち遠しい薬となりそうです。

新しい片頭痛の薬

2009.09.30 その他
いま、臨床試験の第III相試験(標準薬との比較)段階にある新薬MK-0974について、片頭痛への有望性が示されたことが、シカゴで開催されたアメリカ頭痛学会の年次集会で発表されました。

アメリカでは推定2,800万人が片頭痛に悩んでいます。一般的な鎮痛薬やバイオフィードバック療法のほか、トリプタンという脳内の炎症を抑える薬剤が使用されていますが、どの治療も効かないという患者もいます。また、トリプタン系薬剤には血管を収縮させる作用があるため、心疾患のある患者は使用することができません。

このMK-0974はトリプタン系薬剤と異なる新しいクラスの薬剤で、痛みの信号を伝える脳の化学物質を遮断する作用をもちます。

試験は製造元であるメルク社の資金援助により、アメリカ・カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のラポポート博士らが実施したもの。300mgを投与した患者の68%が「2時間後に痛みが軽減された」と述べ、これはトリプタン10mg群での70%に匹敵する結果で。プラセボ群は46%でした。また、その後24時間経ってMK-0974群の40%が痛みが全くなくなったと述べたのに対し、トリプタン群では 18%、プラセボ群では11%でした。

そのうえトリプタン系薬剤にみられる血管収縮作用はなく、胸部圧迫感、胸部痛、のどの締め付け感、全身のぴりぴり感といった、この薬剤に典型的な副作用もみられませんでした。
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